enchantMOON レビュー

enchantMOON を使ってみて気になったことを書き留めておきます。 未来の enchantMOON のために。

04/23 に注文した enchantMOON が 07/20 に届きました。

わずかな時間ですが、使ってみたので気になったことを書いておきます。お世辞にも「現状で長く使おうと思えるもの」「もっと使ってからレビューしよう」と言えないあたりは察してください。

一応、購入に至る背景を書いておきます。まずもともとは買うつもりは一切ありませんでした。理由は簡単で「ハードやるのが初めてなところから実用に足るものがでてくるわけがない」と考えていたからです。その考えは今も変わっていません。にも関わらず この記事刺さり 購入を決定しました。

刺さりポイントは次の通り:

  • 自分たちのハードを作って売ろうという心意気
  • 手書きの重要性への共感
  • 彼らに次の打席へ立って欲しかった

まとめると、初弾のハードにはまったく期待しないけど、世代が進めば新しいコンピュータのスタンダードが生まれる可能性があるから、次へ繋げる投資のつもりで購入したのです。以下はその視点での辛口な意見だけを書いています。

手書きというコンセプトとの不和/要望

手書きを重視しているにも関わらず、書くことを軽視しているとしか思えない仕様がいくらか見受けられました。次のハードウェアでは改良が強く望まれます。

  • スタイラスの先端を白く

    デフォルトでは黒地に記述するのでスタイラスが黒いとペン先端の位置がわかりません。そのため既に書いてある線と接続して書きだすのが非常に難しいです。これは文字、特に漢字を書く時にとても困ります。

  • 本体にスタイラスを収納もしくは接続できるように

    スタイラスが必須なタブレットなのに、タブレット本体にスタイラスを収納もしくは接続して持ち運べないのはナンセンスとしか言いようがありません。たとえばハンドルの中に収納するとかでも良かったわけです。

  • スタイラスの電池仕様を変更

    タブレットと一緒に充電するように、もしくはコンビニで普通に売ってる型の電池にして欲しいものです。単6なんて特殊な型は…家電量販店にでも行かないとありません。

ハードウェア仕様への不満点/要望

さまざまな制約に見舞われた現行ハードは仕方ないにしても、いまどきのタブレットならこうあるべきだという当たり前の点です。

  • USBによる充電

    独自のACアダプタでないと充電できないなんて何世代前の中華PADかと。

  • 標準コネクタ(USB microA)の採用

    専用ケーブルが無いとPCとの接続ができないなんて(以下略

いくら打席に立つのが初めてだからと言って、当たり前のことは当たり前のようにしておかないと、次の打席に立つ気が本当にあるのか不安になってきます。

ソフトウェアへの不満点/指摘

おそらくソフトウェアのバージョンアップで解決できるであろう点です。とはいえ実際に解決されるかは怪しくも思ってたりします。

  • タッチを盛大に取りこぼす

    enchantMOON に何かを指示するときには、タッチで円を描く必要があります。その際にタッチした箇所を盛大に取りこぼし、間を直線で結んでしまうことが頻発します。1つ円を書けば必ず発生する感じです。気持ちよくありません。

  • ペン書きを思っていたより取りこぼす

    散々こだわってると喧伝されていたペン書きがタッチ同様に取りこぼされます。タッチほどではありませんが、それでも使ってて気になるくらいには取りこぼして、線が切れてしまいます。

  • 消しゴム機能の効果範囲がまったくわからない

    どこを消してるかわからないから、大事なところまで消えてしまいそうでおいそれとは使えません。また消したつもりが残ってて、タッチで囲んだ時に反応して驚くことも多々有ります。ちなみにこする速度が速いほど広い範囲が消えるそうです。

  • リアクション/レスポンスに乏しいUI

    余計なもののない寡黙な UI は寡黙すぎて、処理中なのか入力が不完全だったのか、はたまたハングしているのかわかりません。使ってる人間は不信に陥ります。

  • コマンドボタンが押せないことがある

    enchantMOON では選択したオブジェクトへのコマンドがオブジェクトの周りを周回します。そのため画面端のオブジェクトはその周回軌道の多くが画面外になるため、コマンド自体も画面外に配置されることになり、結果目的のコマンドが押せないことが多々有ります。なんだこれ…こんなの使いづらいってすぐに気がつくよね。

全体の感想

さてここまで問題点をつらつら上げてきましたが、別に責任を問いたいわけではないのです。39800という価格設定が可能だったことから、この程度はまぁ驚くに値しないと覚悟していました。開封して付属品を見た瞬間に「あ~これ中身は中華PADまんまなのね」ということがわかって更にハードルは下げました。

でも購入した/参加したからこそ、書ける苦言というものがあるかと思います。それがこの記事の主成分です。

なお一般人は現行世代の enchantMOON を買うべきではないでしょう。4万円といえば Nexus 7なら2台も買えますし、かなり良いホテルにペアで宿泊できる金額です(相手がいるかは別ですね)。それに比べて enchantMOON は…現時点ではガラクタ、高いオモチャと言われても仕方のないものです。

ちょっとだけ未来をのぞき見したい、その未来にわずかながらでも可能性を託したい、そういう人ならばこの enchantMOON を買う意味を見いだせるでしょう。

ちなみにうちのサイトは body に background と color を 指定してなかったので、enchantMOON で見るとこんなでした。今はサイトのほうで background と color を指定するように直してしまいましたが…未指定だと黒背景&黒文字になるとか、さすがにひどくね?w


更新

2013/07/22 20:50

最終段落において「background だけが未指定だった」かのように読めた文章を「background と color どちらも未指定だった」に修正しました。実際に色指定を全くしていない

<html><body><h1>Vesta works!</h1></body></html>

こんなサイトを読み込ませてみたところ、真っ黒な画面が表示されましたw