自作キーボードを始めて5か月の歩み

自作キーボードを始めて5か月。その遍歴を振り返ってみたいと思います。

はじめに

2020年の11月末。 なんとなく自作キーボードでも始めて見るかと思い付きました。 それまで自分にとって自作キーボードはハードウェア技術的にも既知で、 さらに長年使い続けたHHKBから乗り換える気も起こらず見向きもしなかったわけですが 「実際にやってもいないのにわかった気になるのは頭でっかちでよくないな」 と考えてやってみることにしたのです。

ということでやってみて見事にハマりまして 始めて1か月で数台のキーボードを組み立て この5か月で10台を超え20台に迫る勢いでキーボードを組み立て・設計・制作するに至りました。

この記事では自分が作ってきたキーボードたちを振り返ってみたいと思います。 なにぶん数が多いので1つのキーボードにつきなるべく量を絞って以下の観点から書き下していきます。

  • なぜそのキーボードを選択したのか(作ろうと思ったのか)
  • 作った際の特徴、思い出話とかあれば
  • 作った後にどのように手をかけたのか
  • 結果キーボード以外に何を得たのか

では早速1台目から順を追って見ていきましょう。

1台目: ErgoDash

ErgoDashにMT3プロファイルキーキャップ

1台目に作ったのはErgoDashでした。 選定のポイントはとにかく手っ取り早く入門できること、はんだ付けが容易そうなこと、ワンストップで必要なものが揃うことでした。 キースイッチはやはり自作と言えばMX Cherryのイメージなので MXから静音リニアの軸を選択しました。 キーキャップは汎用性の高いOEMプロファイルのブランク(印字がないもの)の白。 LEDによるアンダーグローはなしの構成です。 11月末に遊舎工房の通販にて注文し12月3日に届きました。

ハンダ付けはダイオードがリードタイプのものであるため極めて容易。 ビルドガイドに従えば特に詰まるところなく半日かからずに組み立てられました。 ハンダ付け経験はあったものの自作キーボード素人であったため、 スプリングピンヘッダー(通称コンスルー)の意味を理解しておらず 両端をハンダ付けしてしまうというポカをやったものの キーボードとしての機能に影響はありませんでした。 あとは2uのコンベックス(山なり形状)のキーキャップがなかったため スペースバーを切断して流用するなどしてました。

このころはまだファームは自前ビルドしておらず QMK Configurator でキーマップをいじってファームをビルドしてもらってました。 いろんな変態キーマップを考案したりしたものの 最終的にはオトナシメのものに落ち着いたりしました。

また初AliExpressでキーキャップを購入するなどもしました。 ただその時買ったのはANSI配列用の60%キーボード向けのもので、 後にDROPでMT3プロファイルのオルソリニアセットを買って換装しました。 当時はいかに何も理解してなかったかがわかるエピソードです。

いまにして思えばErgoDashは作りやすかったものの、 アクリルサンドというケーシング方式のためどうしても 厚く&重くなりがちで分割キーボードとしての使いやすさの観点では劣っていたなという感想です。 ただ本当に素人にも作りやすく、 カラムスタガードとセパレートという自作キーボードの醍醐味とも言える2大要素を体験する上でも、 入門用には最適だと今でも思っています。

なお本記事執筆時点では現在は部品取りと収納場所確保の目的でバラしてしまっています。

2台目: Corne Chocolate v2.1

スイッチ付きのUSBハブを導入した

ErgoDashを組み立てて1週間たっていない12/10に コチキーボードさんから購入したCorne Chocolate v2.1(以下CorneChoco)が届きました。 選定理由は表面実装部品をハンダ付けしてみたい。 光るキーボードを手にしてみたい。 Kailh Chocという背の低いロープロファイルなスイッチを試してみたい。 知り合いが経営しているコチキーボードさんで買い物してみたい…などなど。 そうしてこのCorneChocoが自作キーボードに本格的にハマったキッカケになりました。

そのハンダ付け難度は道具も揃っていないハンダ付け初心者に毛が生えた程度の自分ではあまりに高すぎる壁で、 別の記事に書いたようにとてつもない苦労の末にやっとLEDを全点灯させることができたのです。 この時のカタルシスが決定的に自作キーボードにハマるキッカケでした。 ちなみに後日同じ程度の工作難度となるuzu42を組み立てるわけですが、 すでに腕前も上がり道具環境も整っており大きなトラブルもなく組み立てられたあたり成長はしているようです。

このLED全点灯が全てをねぎらってくれた

ErgoDashもCorneChocoも1つのデザインPCBを2枚提供し片方を裏返して左右に使用するタイプなのですが、 このタイプは部品を指す場所を間違えやすくその点では初心者向けとは言い難い一面があります。 現に私はOLEDのコネクタを付ける方向を間違え泣く泣く修正することになりました。

QMK Firmwareの自前ビルドに乗り出したのもこのキーボードが最初と言ってよいでしょう。 加えて高さの異なるスペーサーを別途購入し、さらなる低プロファイル改造をしたりもしました。 ケーシングに乗り出したのもこのキーボードがキッカケですね。 現在はMBKキーキャップのGB待ちをしており、 それが届くまでは休眠中です。

3台目: Re64

ピンクに怪しく光るRe64

3台目に選んだのはHHKB分割型+ロータリーエンコーダ搭載のRe64です。 購入先は遊舎工房でした。 販売元としては作者さんのBOOTHもあります。 ビルドガイドはコチラです。 選定理由はHHKBの分割を使ってみたかった、以上。 ロータリーエンコーダーはあまり興味がなかったのですが、 キースイッチ以外のモノも装着できるんだということを教えてくれました。

到着は12/24、クリスマスイブですね。 組み立ては25日の夜から翌4時頃の完成だったようです。 ダイオードはリードタイプ、LEDはSK6812mini-Eというハンダ付けしやすいタイプでした。 LEDの取り付けで若干ポカはあったもののおおむね順調に組み立てられたと思います。 ポカの内容は、逆さに取り付けてしまいリカバリーのために取り外した際にパターンを痛めてしまい、 しょうがなくジャンパー線を這わせて対応という感じです。

リードベンダー導入

このキーボードからリードベンダー(ダイオードの足を折り曲げる際に使う治具)を導入しました。 Pro Microにエポキシ接着剤を用いたモゲ対策をするようになったのもこのキーボードからでした。 組み立て時にヒビが入ってしまったアクリルプレートを接着・補強・修正するためにアクリサンデーを導入しました。 アクリルって溶接なんですね。っていうか溶接って熱だけじゃなくて薬剤でもあるんですね。 この時はじめて知りました。

アルミプレート発注&低床化

組み立て後にトップ&ボトムプレートのCADデータが公開されていたので それを使ってLASER BOOST にアルミプレートを発注して、 キット付属のアクリルプレートから換装してみました。 同時にスペーサーの高さを見直すことでオリジナルからマイナス2mmのロープロ化に成功しています。

またダイオードを1つ追加することで左右自動判定の改造もしています。 一般的な分割自作キーボードはUSBケーブルを繋いでるほうを左とするため、 右側にケーブルをつないでしまうと左のキーマップが適用され 左右逆転したキー配列になってしまいます。 それを右につないでもちゃんと右として認識されるようにする改造です。 ファームウェアのソースコードから使っていないマトリックスを探し出し そこにダイオードを追加しました。 ファームウェアのほうは2個ほど設定を追加すれば作業は完了です。

キースイッチにはInput Club Hako Violetを選択。 このスイッチはいまでも一番のお気に入りです。 いや最近はDark Jadeのほうがしっくり来てるか?w キーキャップはTAI-HAOのサクラミチを付けて動態保存しています。

地味ながらいろいろ改造のしがいのある良いキットであったと思います。 また後に自分でも分割HHKBを設計してみるか、となるキッカケだったと言えるでしょう。

4台目: Corne Cherry v3

DSAプロファイル+3DプリントキーキャップのCorneCherry

4台目に選んだのはCorne Cherry v3(以下CorneCherry)です。 CorneChocoが独特の軸であるためキーキャップで遊べず悶々としていたため、 じゃあMX Cherryスイッチが使えるCorneを買えば良いじゃない、 ってことでコチキーボードさんに注文しました

届いたのは12/23で、組み立てたのが12/27の早朝なので26日の夜からやっていたのでしょう。 ビルドガイドはこちらです。 あ、26日は明け方までRe64を作っていたので二日連続徹夜ですね(ニッコリ) 続けてともなれば組み立てに苦労するところはなくスムーズにできたと記憶しています。 あ、アンダーグローのLEDがWS2812Bという大きいものになっていて、表面実装がやりやすかったのを思い出しました。

キースイッチは変遷の末、最終的にはInput Club Hako Violetに落ち着きました。 そのうえでキーキャップはかなりの変遷を経てまして、 新しいキーキャップを入手するたびにこのキーボードで試してみるという使い方をしていた気がします。 最終的にはこの子専用のキーキャップということで DMM makeのクリエイターズマーケットより3Dキーキャップの基本セットおよび親指用を注文して取り付けました。 それが年が明けて1/17のことでした。

3Dプリンタ製のキーキャップをフルセットで

あらゆる意味で左右分割型自作キーボードの完成形だと今でも考えています。 ケーシングの方法など研究のしがいのあるリファレンスです。

5台目: Willow64

斧かな? いいえWillow64です

5台目に選んだのははなちさん設計のWillow64でした。 BOOTHにて購入し12/24に着荷しました。 ビルドガイドはこちらになります。

購入したきっかけは興味深い配列(Willow配列)の販売開始をtwitterで見かけたこと。 ちょうど自分も指先の動きは弧を描くのにカラムスタガードのようにまっすぐなのは解せないよな、 と考えていたところに現れた配列なので運命じみたものを感じての購入でした。 キースイッチはGATERONのものを複数種類コチキーボードさんで購入しました。

組み立ては12/27の夕方からのようで…CorneCherryと同じ日ですね。 翌2時くらいにいったんの完成を見たようです(真顔) ただこの子は難産でした。 というのは初版ということでPCBに不具合が多く、 LEDが入らない、5ピンのキースイッチがハマらない、スタビライザーがズレている、TRRSケーブルがスペースが足りず挿入できない、 ファームの不具合のためにLEDが光らないことがある、ビルドガイドが粗削りなどなど、 そういう障害を自分の経験と知恵と根性で乗り越えつつの完成(?)です。 そしてそれらをフィードバックしたりしました。 ぶっちゃけものすごいPCB削りましたw なおこれらの問題は最新版では解消されていますので、 いま購入を検討している人は安心して買えます。

LED用の穴をバリを取るために削り広げてるところ

最終的に安定したのは28日の夜ですね。 自分にとってWillow64はこういうトラブルシューティングの試行錯誤の楽しさに目覚めたキットです。 また設計することの難しさ&その面白さを教えてくれたキットでもあります。

もともと使うためにではなくWillow配列を体験するために買って作りました。 しかも大きくて重いので特にそれ以降いじくるということはなく しばらくは動態保存していたのですが収納などの都合で最近バラしてしまいました。

6台目: YUIOP27

虹色に光るYUIOP27

6台目にしていよいよ自設計に乗り出しました。 自作キーボードを始めて約1か月。 年始にKiCadで設計し1/10にJLCPCBに発注し1/16に着荷しました。

人生で初めて設計した基板

目的はとにもかくにも一度設計して作ってみること。 左右分割型だけど左手側だけ、スイッチソケット、LED、OLED、TRRSジャック全部乗せ。 配列はWillow64と出会うころに考えていた独自の変形ロースタガードの弓なり配列で、YUIOP配列と名づけました。 YUIOP配列でキーが27個あるからYUIOP27です。

なおYUIOPというのはキーボード上の QWERT キーの右に続いている YUIOP から来ています。 また当初は配列名のつもりだったのですが次々と設計するにあたって 実験用キーボードのシリーズ名となっていきます。

組み立てそのものは非常にスムーズで可もなく不可もなく。 このころになるとハンダ付けテクニックも上がり、 フラックスの使い方もマスターしてました。 この程度はものの数に入りません。

キースイッチのテストベッドと化した

しかしYUIOP27それ自体はKiCadの使い方に慣れ、PCBの発注方法を知り、 自分のキーボード試作の方法論を確立させるのに大きな役割を果たしてくれたキーボードでした。 いまは各種キースイッチのテストベッドとして機能しています。 リセットスイッチやTRRSジャックはバラして回収しちゃっても良いかもなぁ。 (しました)

ゴーファー君キーキャップを乗せて

あ、このGopher君キーキャップはコチキーボードさんで買いました。 かわいいよGopher君ほんとかわいいよ。

7台目: DZ60 RGB V2

MDA Bigboneの乗る在りし日のDZ60 RGB V2

自作キーボードを設計する上でケースが価格を押し上げる主要因である という問題を避けられないことから既存の一般的な60%ケースを転用できないかと考え、 とにかく既製品を触ってみるかということから購入して組み立てたのがDZ64 RGB V2です。 購入は遊舎工房でした。 着荷も組み立ても1/18だったようです。

曲がったダイオード

組み立ては可もなく不可もなくと言いたいところだったんですが、 ケースがPCBに干渉し、ダイオードが1つとれるという憂き目にあいました。 そのため正しく収納するにはケースの加工が必要になりました。 さらに取れたダイオードを失くしてしまい、 手持ちのチップダイオードを付けたのですがちょっとサイズが合ってなくてハンダ付けには苦労しました。 本来はハンダ付けの要らないキットのハズだったんですけどね。

原因となったケースのリムを削った

のちにMDA Bigboneキーキャップアルミケースをこのキーボードで試してみました。 しかしどうもしっくりこず今は適当なキーキャップをつけて保存してあります。 あ、ただQMKファームウェアのRGB MATRIX機能によるイルミネーションはとても綺麗だったことを付け加えておきます。

8台目: YUIOP47

YUIOP47に潜むゴーファー君

自設計キーボード第2弾、YUIOP配列の47キーでYUIOP47です。 YUIOP47は分割型ではなく一体型になりました。 DZ60での教訓から既存のケースを諦め、 だったら横幅15Uではtoo wideだよねということで11.25uまで縮めて 左右対称の配列にしました。

当初はこんな変態配列だった

OLEDは付きますがLEDはインジケーターとして1つだけ。 キースイッチはPCBに直にハンダ付け(PCBマウント)となっています。 スイッチソケット使うとトッププレートを用意しなければならず、 さらにスペーサー類もそれなりに消費します。 それでは気軽に試作できないなということでPCBマウントにしました。

基板の発注が1/19日で到着が1/26でした。 実は回路が間違っておりLEDの配線が逆さでした。 そのためLEDをハンダ付けするとキーボード自体が起動しないということになりました。 最終的にはLED周辺のパターンカットとジャンパで光らせることには成功しました。

ロープロ!

このキーボードでは余る基板をボトムプレートに転用してM2のネジとナットで固定、 さらにゴム足で角度を付けて簡易なケースとする手法を採用するようになりました。 試作にかかるコストと全高をググっと下げたというわけです。

RaspberryPi Picoと無理やりつなげた

またのちに発売されたRaspberryPi Pico(以下pico)と接続され、 pico用のキーボードファームを試作するテストベッドになりました。

YUIOP47は自分のキーボード試作の方法論を確立させたという意味で、思い入れの強いモデルです。

9~11台目: YUIOP50D, 22RS, 63HHS

3つの基板が同時に届いた

このあたりから何かがおかしくなっています。 2/12から13の春節期間中(?)に五月雨式に3つの異なるキーボードを設計・発注し、 それがまとめて届いたのが2/22でした。 23日から26日かけて組み立てたようです。

9台目: YUIOP50D

キャップを乗せる前にイルミネーションを堪能している図

YUIOP50Dは16mmという狭いキーピッチ(=dense)の50キーのキーボードです OLEDはありませんがフルLEDで、 Pro MicroだけでなくRaspberryPi Picoでも動くという設計です。 配列とデフォルトキーマップは古き良きタイプライターのロースタガードにしました。 なんと 10 のキーが存在せず Layer キー + IO で入力させるという本格派(?)です。 組み立ては2/23でOutemu LPキースイッチDMM makeで注文した挟ピッチキーキャップを使用しました。 後に2台目をEverglideのOREOスイッチDMM makeで注文したOYKキーキャップで組み立てています。 なおOREOは実際にはAliExpressで購入しました…って今見たらまとめは売りなくなってますね。

YUIOP47ではハーネスで繋いでいたpicoを直接繋げられるようにというのが主な動機でした。

またこのあたりからハンダ付け製作作業をライブで配信したりしています。 あ、良かったらチャンネル登録と「いいね」ボタンを押してください!(お約束)

10台目: YUIOP22RS

22キーにロータリースイッチが付いているのが特徴なのでYUIOP22RSと名付けました。 一般的なテンキーのようにも見えますが左上のロータリースイッチ(ロータリーエンコーダではありません)とOLEDが特徴的です。 TRRSジャックは2台繋いだらなんかできないかなと思って付けたのですが結局使わずじまいです。

何気にタクトスイッチのボタンも基板に合わせて青い

キーボード設計でKiCadを使う際にショートカットキーをまとめる左手デバイスが欲しくなりました。 しかしKiCadは回路図エディタとPCBレイアウターでキーバインドが独立しているため レイヤーキーを用いても22キー程度ではとても足りません。 また似たような機能が別にキーに割り当てられてもいたります。

ならばロータリースイッチでレイヤーを切り替えられるようにすれば、 どのアプリで使うときはどのレイヤーでという整理にすれば、 KiCadだけではなくOBS(ライブ配信ソフト)や各種ゲームでも役に立つのでは? と考えて設計・制作しました。

ロータリースイッチ部分のファームはQMKのDIPスイッチfeature流用・拡張して実装しています。 設定した番号のレイヤーが有効になるという寸法です。 LEDはありませんがロータリースイッチで選択しているレイヤーと、 そのレイヤーが対応しているアプリ名などを表示することを意図してOLEDを付けました。

自分が設計したキーボードの中ではこれを最も実用しています。 というか現在のところ常用するために設計した唯一のキーボードです。

以下はその機能を垣間見れるデモ動画です。

11台目: YUIOP63HHS

ノリで作った分割HHKB

いまなら分割しただけの素のHHKBもあっという間に設計できるぞ、 ということを示すために深夜のノリで設計・発注したのがYUIOP63HHSです。 酔ってたのかな?

もともと60キーのHHKBを分割し 6uのスペースバー部分を (2u+1.25u)x2 にしたため 3キー増えての63キーのキーボードになりました。 HHSはHappy Hacking Splittedとかそんな感じ。 OLEDもLEDもなくミニマルなキーボード機能だけですが 右側のPro Microが右下隅というイレギュラーなところに設置してあるのと、 白いソルダーレジストにしたのが特徴です。

このころには既にKeyboard Layout Editor で作ったキーボードのレイアウトのJSONから 自作のプログラムで回路図の作図やレイアウトを部分的に自動で行えるようになっており、 さらには配線もFreerouting君にお任せするようになったので本当に爆速でキーボードを設計できています。

それ以外の特徴らしい特徴はありませんが、後にこの白さが狂気を産み出すことは この時点では知る由もありませんでした。

12台目: uzu42

実はあまり写真を撮っていない

コチキーボードさんなるさん制作のuzu42を取り扱い始めたぞ、ということで注文しました。 選択理由はコチキーボードさんであること。 そして過去に痛い目をみたCorneCherryと同じ部品構成だったこと。 あとは手持ちに赤いPCBのキーボードはなかったのでコレクションとして欲しかったこと。 最近キット組み立ててなかったしタイミングがちょうど良かったということですね。

3/6に注文したら15分後に発送され、翌日曜に組み立てました。 あの高速の発送は「すぐ組み立てたいんでしょ?」という店主さんからのメッセージだと受け取りましたw まぁあればすぐに組み立てるんですけどね。 ということで月曜までに左右自動判定のダイオード追加まで実施しました。

しかしこの後、キットに含まれるPro Micro互換機の電源回路の差異により 親機・子機の判定がそのままでは機能しないことが判明。 この解析に若干時間を取られました。 詳しいことはコチキーボードさんの解説記事を参照してください。

なお作りはしましたが、 今はまだブランクのキーキャップを付けてしまってあります。

写真はあまり撮らなかったのですが、なんと作業動画は3回合計6時間に渡って残っています。 良かったらチャンネル登録と「いいね」ボタンを押してください!(お約束2回目)

13台目: 静電容量Helix

透明キーキャップが涼し気

静電容量HelixのEarly Bird版が発売されたのをtwitterで知り 少し悩んだうえで購入にいたりました。 長年お世話になってるHHKBと同じ方式の静電容量スイッチのキーボードが自作できその中身(ファームウェア)で遊べることと、 製作には新品のキーボードを購入してバラすのが手っ取り速いという倫理感のハザマで悩みました。 まぁ10分くらいですけども。

使われることなくばらされたキーボード

注文は3月中旬、キットの着荷が3/24。 組み立てに必要な全パーツがそろったのが3/27。 時間をかけ28日までじわじわと組み立てていました。

細かいハンダ付けの成果

ビルドガイドはこちらになります。 ハンダ付けは0.8mmピッチという細かいものになります。 各半導体部品の周辺にはスペースがあるので特に難しいとは言えませんが、 仮に十分な道具と知識に経験がなかったとしたらかなり苦労しただろうなと感じました。 スイッチパーツのバラシとラバーの加工はとにかく手間でしたね。 それでも初めて静電容量が機能したときは本当に感動しました。

透明だとLEDの光が映える

プレート含めてその他の備品は遊舎工房で注文しました。 和気産業による透明のゴム足を付けるとチルト角がちょうどよくなりました。 最初は部品取り用に購入したNizキーボードのキーキャップを使っていましたが、 一時MT3が乗っていて、いまではその透け感を生かしたキーキャップになっています。

ファームやキーマップもまだまだ練れてない(遊べていない)のでこれは今後の楽しみです。

静電容量Helixについても3回、合計7時間半もの作業動画が残っています。 良かったらチャンネル登録と「いいね」ボタンを(ry

14台目: 白い狂気のYUIOP63HHS

完成時はその美しさにしばらくの間見惚れていた

11台目として組み立てた63HHSを見てて思ったのです。 「これ全部白かったら綺麗だろうな」って。 本来なら同型機の別機体はカウントしないのですが、 これは特別です。できたものを見てください。

自分がキーボードを設計する上での様々な習作や準備がこの白いYUIOP63HHSに結実しました。 これ単機のためだけにかけた手間でも費用でもないのですが… 以下にこの白いYUIOP63HHSが誕生するのに必要だった要素を列挙しておきます。

詳細はいずれ書くかもですが、例によって作業動画があります。 良かったらチャンネル登録と(ry

15台目: Willow Pecoe

かっこいい新作キーボード

Willow64の作者であるはなちさんがtwitterで 新作キーボードWillowPecoeのβテスターを募集しているのを見かけたことから手を上げました。 基板と新興宗教勧誘用アイテム(キーボードの隙間に詰めるエアコン配管用パテ)とJLCPCBのオマケパズルをいただきました。 お礼に白い非人道的ハンダ付けが必要なPro Microを送りましたが…ある意味で恩を仇で返した可能性すらありますw

βテスターとしていろいろやったんですが詳しくはこちらのβビルドレポート兼ビルドログを読んでください。

あ。例によって(ry

16台目: YUIOP60HH3 (YUIOP60HH rev.3)

結局組み立てませんでした

狂気のYUIOP63HHSで使ったEverglide Dark Jadeがえらく気に入り 普通のHHKBレイアウトをこのスイッチで使ってみたい! しかもGH60互換のケースに入れて! との動機で設計したのがYUIOP60HH3です。 なんで3かというと過去にGH60互換の60%キーボードケースに収まるPCBを設計したいとの同様の思いからPCBレイアウトまではやってみたものの、 なんかいまいち納得できずお蔵入りしたものが2バージョンあったのです。

自分にとって新規の試みとして、今回初めてトッププレートもPCBとして設計しました。 まぁそこも含めて問題がでたわけですが。

4/20にPCBが届きましたがさまざまな検証をした結果として 「組み立てない、組み立てるに値せず」との結論に至りました。 当初の大目標こそ達成できませんでしたがGH60%互換ケースを流用するにあたってのいろいろな知見が得られました。

YUIOP60HH4予定のもの

そして4/22現在、その知見を生かした新バージョンYUIOP60HH4(17台目!)の基板を発注済みです!w

おわりに

以上この5か月に自作キーボードに関してやってきたことを組み立てた機体を中心に列挙しました。 この他にも機体にはなってない活動も結構しているのですが、 それらはマニアックですし説明が容易ではないものも多いので本記事では割愛します。

また今後に向けて考えているネタとしては以下のようなものがあります。

また進展等ありましたら、どこかで記事にするかもしれません。


この記事は白いYUIOP63HHSで書きました。 しかし普段使いはHHKB Type-Sです。 こんなにたくさん作ったのになぁw