著作物とインターネット

著作物、というか著作者の権利の保護ということについてなんだか心に引っかかりました。まとまっていはいませんが寝る前に書き留めておきます。

キッカケはこれ。

私は「音楽業界の利益のために、国民の税金を使うのは、どうかと思ってしまう」という発言に同意しました。が、そのあとでなにか引っかかったのです。いや文字通りであれば今でも同意なんですが、それはあくまでも「音楽業界」に対して個人的に漠然とネガティブなイメージを抱いているから、と説明できます。ですが「いかにして私が音楽業界にネガティブなイメージを抱いたか」はこのエントリで書きたいことではありません。

この「音楽業界の利益のために国民の税金を使う」を「著作者の利益のために国民の税金を使う」と読み替えたらどうでしょう。音楽の違法アップロードとダウンロードで実際に毀損されているのは、音楽業界のではなく楽曲を作った人たちの利益です。さらに一歩進めて「著作者の権利を保護するために国民の税金を使う」としても良いでしょう。著作者というのは国民の一部です。その権利とは財産とほぼ同じ意味ではないでしょうか。となればこれは「国民の財産を守るために国民の税金を使う」と至極当然のセンテンスに変換されていきます。

簡単な論理です。音楽、絵画、書籍、動画 etc etc…こういった著作物の裏には著作者の労苦があります。彼らがその著作物を提供するにあたり、対価を求めるのは当然の権利であり、尊重されてしかるべきです。だからその対価の支払いを免れる目的のあらゆる行為は、著作者の権利を脅かす社会的な犯罪行為と言えます。

「他者の権利を脅かすアップロードは犯罪である」…うん、これは納得行く。

「他者の権利を脅かすダウンロードは犯罪である」…うん、これも納得できる。

このアップロードは他者の権利を脅かすだろうか。このダウンロードは他者の権利を脅かすだろうか。ダウンロードする人間は「対価の支払を免れる」以外の目的でダウンロードするだろうか? 研究目的で? そんなことが必要な研究をする人がどれほど日本にいるだろうか。プログラムが勝手に? 自分の個人情報が勝手に流出することには敏感なのに、他者の著作物が勝手にダウンロードされることを許容範囲とするにはいささか無理がある。これを利用して特定の個人を罠にかけることができるだろうか?

対価を免れてアップロードされた著作物がインターネット上にあり、それをダウンロードした人に刑事罰は問われるべきか。

路上に盗品と思しき品物が置いてあり、それを持ち去った人は刑事罰に問われるべきか。


 

刑事罰とするなら量刑の問題もありますが、そろそろ眠くなってきたので。


    ちなみに「免れる」は「まぬがれる」であって「まのがれる」ではないので注意です。